SVGについて

SVGについて  

まだSVGのすべての機能をサポートしているわけではありませんが、
Inkscapeが生成するSVGはすべて規格に準拠しています。
(流し込みテキストについては一時的に例外的な対処をしています。)
規格に準拠したSVGレンダリングエンジンはすべて、
Inkscapeで表示するのと同じように表示します。
もしそうでない場合には、バグです。


流し込みテキストについてはどうか  

Inkscapeに流し込みテキストが追加されたとき、
当時使用していた未完成ドラフトのSVG1.2規格に準拠していました。
残念ながらドラフト作業が進む中で、
W3Cはこの機能の定義を変更する決定を下しました。
SVG1.2はまだ完成していませんが、その結果、
SVG1.2の流し込みテキストを実装している
SVGレンダリングエンジンはほとんど存在しません。
流し込みテキストを使ったInkscapeのファイルは
SVG1.1には準拠しておらず、

* エラー
* テキストのない黒いボックス

などの問題を起こします。

しかし、この機能に対する要望は非常に多いため、
ユーザが利用できるよう機能を残しておくことにしました。
SVG 1.2規格が正式に発行されたら、
流し込みテキストの実装を規格に完全に準拠するよう変更し、
古い流し込みテキストを
新しい形式に変換する手段を提供する予定です。

しかしそれまでの間は、
Inkscape以外のプログラムに読ませるためのドキュメントでは
流し込みテキストを使用すべきではありません。

本当に流し込みテキストが必要な場合は、
メニューから「テキストに変換」を選択して
普通のテキストに変換する必要があります。
このコマンドは、
流し込みテキストを見た目とフォーマットは変更せずに
SVG 1.1準拠したテキストに変換します。


Inkscape SVGに対してわざわざplain SVGが用意されている理由  

InkscapeSVGファイルでは、
プログラムで使うための追加情報を
Inkscapeのnamespaceを使って格納しています。
他のSVGプログラムではこの拡張を解釈できませんが、
この拡張はドキュメントがどのように編集されるかに影響するだけで、
ドキュメントがどのように表示されるかには影響しないため、
問題ありません。

しかし準拠していないレンダリングエンジンの中には、
拡張情報が存在することにより
問題が起きるものがあるかもしれませんし、
Inkscape用の情報を削除し
ファイルサイズを小さくしたい場合もあるかもしれません。
このために「Plain SVG」オプションが提供されているのです。


Inkscsapeで実装しているSVGの機能  

Inkscapeがまだサポートしていない機能のうち主なものは、

* いくつかのフィルタ(0.46でかなりの部分をサポート済み)
* アニメーション(開発は計画中)
* SVGフォント(現在、実装作業中)

です。

それ以外の機能は概ね使えます。

Inkscapeと他のオープンソースSVGツールの
W3C SVGテストスイートによる比較は、
SVG rendering comparisonを参照してください。